日比野日誌

すしとあの人

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向田邦子といえば、『時間ですよ』や『寺内貫太郎一家』などで知られた著名な脚本家です(というと、歳がバレてしまいそうですが…)。もちろん、直木賞作家としてもその名を轟かせています。そういえばこの人、『花の名前』『かわうそ』『犬小屋』で昭和55年(1980)の直木賞を受賞するのですが、作品は単行本化される前に受賞するという、直木賞史上、非常にめずらしいことが起きたのです。

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向田邦子は、本人も認めるように、食いしん坊だったといいます。ある新聞にも「日本一のうまいもの」と称したコーナーで、健啖家ぶりを披露しています。

読者が選んだベスト10で堂々と第1位を獲得したのは、兵庫県明石市の「下村」という店のアナゴずし。タレが評判だそうですが、なんといってもこの店のアナゴは、串打ちが自慢。また、モットーは「人間もアナゴも肝心なのは素材。中身のないものが着飾っても意味はない」。う〜ん、実に奥深いことばです。

ちなみにこのすしは、今は店では売っていませんが、通信販売で手に入るそうですよ。また、今も手に入るものといえば、第10位の東京都台東区の「笹巻すし」があります。

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この人の短編に『海苔巻の端っこ』という作品があります。

「わが家の遠足のお弁当は、海苔巻であった」で始まるこの小説は、半ばノンフィクションでもあるようです。海苔巻きの真ん中の部分は弁当に入れて、端っこは家族のもの。邦子はそれが大好きだったのですが、父親もまた、これが好物。母が端っこを集めて、それを父の目の前に置くものですから、邦子はほんの少ししか食べられません。

「大人はなんと理不尽なものか」と、率直な意見を述べています。

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同じく『子供たちの夜』では、宴会から料理を折り詰めにして持って帰ってくる父親が出てきます。宴会で出る料理などというものは滅多に食べられない、家で待つ家族に食べさせたい、そういう時代だったんですね。

ある夜、父が深夜に帰ってきて、眠っている子どもたちを起こし、すし折を食べさせようとします。それを母が止めるものですから、酔った父はすしを庭へ放り出してしまいます。

食中毒を気にしている母の気持ちもわかりますし、高価なすしを子どもたちに食べさせてやりたいという父の気持ちもわかります。

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何気ない生活の中の一コマに、父と母、親と子の人間模様を表す…。向田邦子、真骨頂の腕の見せ所です。

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