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日比野日誌

すしの雑学

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「流す」、すなわち平積みでやめておくこと。
昔はこれを「ダイヤのすし」と言いました。

ダイヤ…。宝石なんかじゃありません。「ダイヤ」は「台屋」。

大きな台の上にのせた数種の料理、これを「台の物」と言うのですが、台屋はそれを出すお店。
はじめは単に「デリバリー料理」ってな意味でしたが、
近世末期の握りずしが生まれた頃には、もっぱら、
遊廓に出入りしている仕出し屋のことを言いました。艶っぽいお店、だったんですね。
むろん、中にはいい「台屋」もあったのですが、大半は中の下。
時には、ひどい台屋にあたってしまう人もおりました。

戦前は、そんな風潮のなごりがあったのでしょうか、
平積みのすし盛りを持っていくと怒られたものです。
「バカ野郎! オレんちはカタギでぇ! ダイヤのすしなんざ食わねぇよっ!!」

今はみんなが「流し盛り」。ということは、皆さんが艶っぽくなっちゃった?

*その54*

2010.09.05

大正から昭和初期にかけてでしょうか、すし屋の外観が様変わりしてきます。

それまでは「料理屋型」のすし屋と「屋台型」のすし屋と、まったく違った店でした。
それで商売がうまくいっていたのです。
けれども、想像以上に繁盛してしまったのが屋台のすし。
人はどんどん入っていきました。

こうなると「料理屋型」も、今までどおりにはいきません。
なんとか「屋台型」のすし屋に負けないようにしなければ…。

こうして考え出されたのが、料理屋の軒先に屋台を据えつけること、でした。
こうすれば、中の調理場にいる「料理屋型」の職人でも、
道行く人を相手に商売をすることができますね。

さらに「進化」した店舗では、屋台を店の中に引き入れてしまいました。
料理屋の中に屋台がある…。つまり、「カウンター」ができ始めたのです。

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ひと口に「ジャコ」と言っても、それが何の魚か、
ところによってまったく違うこともあるので注意が必要です。
まぁだいたいは川に棲息する小さな細かい魚なんですが、
広島県の海岸地方では海魚を指すこともあるんですね。

今月の旬のすしは、大阪府和泉地方。
ここの「ジャコ」は長さ六センチほどの、サルエビというエビです。
夏から秋の湖の季節がベストシーズンです。

ジャコは、頭や腹・そして殻を取って、甘辛く煮ます。
仕上がりを気にする人は、しょうゆを控えて塩をきかせればよいでしょう、
その方がエビのピンクが映えますから。
また、殻が剥きにくいという方。一度、冷凍してやればいいのです。
あとはシイタケやニンジンなど手軽に入る具をすしご飯に混ぜ、
ジャコも一緒に混ぜて盛りつけましょう。錦糸卵でもかければ、立派に来客用ですね。

でも、いちばん美味しいのはジャコの押し抜きずし。
ジャコは頭も取らず、殻つきのまま甘辛く煮、
煮上がったところで、頭を取って殻をむくのです。
そして、昔はすり鉢で苦労して細かくつぶしていましたが、
今はフードプロセッサーであっと言う間にこなしてしまいます。

そうしてさらに煮詰めると、そぼろができあがります。
このそぼろだけを具に、押し抜きずしを作るのです。
他の具は、何にもいりません。

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