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日比野日誌

すしの雑学

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前号で下駄の話が出たから、今号はすし屋の上着、うわっぱりについてです。昔のすし屋は和服姿であったことはいわずとも知れていますが、今はどうでしょう。
最も多いのが(といって、ちゃんと調査したわけじゃありませんが)、作務衣(さむえ)とか甚兵衛とかいうもの。上半身を覆う、前から見たら胸元は和服 で、袖は筒袖タイプの、あれですよ。色は、断然、白が基調。洋風の、ボタンタイプのものもあります。余談ですがあの服、正式な名前はないんですってね。単 に「調理服」とか「白衣」と呼ぶんだそうです。
下にはアンダーシャツ。白のシャツです。上から見えてても(U字首)見えてなくても(丸首)どちらでもいいのですが、私は見えてない方が好きです。そして和帽子。鉢巻き姿の職人ってのは、まぁ、あまりいません。とにかくこれも、白が基本です。
ところが「調理服」にはもうひとつのタイプがありまして…。これも、以下次号で。

*その43*

2009.09.24

18世紀前半の成立と思われる『諸国手控帳』という本の中に、各国から収められた「時献上」の品がずらりと並んでいます。そのうちのすしに注目しますと、 ほほう、アユずしとフナずしが多いようですね。もちろんこれは酢なんか使わぬ発酵ずし、いわゆるナマナレでありました。
その中にある「金沢藩松百鮓」。これはなんでしょう。
「松百」とは地名でして、能登国、今の和倉温泉のあたりにある地区です。金沢藩は「加賀百万石」といいながら、能登にも領地を持っていたんですね。ともかく松百ずしは、そこで作られたことは間違いないようです。
ただ問題は、この松百ずし。何を着けたすしだったか、まったくわかりません。記録がないわけではないのです。あり過ぎるのです。そのあたり、詳しくは次号に続きます。

*めずし*

2009.09.24

4310月第2月曜は、滋賀県野洲市の御上(みかみ)神社の祭礼が行われます。ここの祭りは五穀豊穰を祝ってなされるものですが、「ズイキ祭り」の名の方がよく知られています。460年も前から始まったといわれ、今では国の重要無形民俗文化財です。
300本を超えるズイキ(サトイモの葉の茎)で作った立派な神輿は、重さ役100キロ。これが5基作られます。若草色のズイキで覆われた屋根や壁は実に美しく、最近では神社にこれが納められるところが、よくテレビ報道されるほどです。
そもそもこの祭りは…、というと長くなるからやめておきますね。この祭りとすしとの関係ですが、夜に行われる「芝原式」という祭りで、フナずしという臭 いすしが登場します。ま、これは嫌がる人もおりますし、第一、見学者にはふるまわれません。それよりも、もう一つの「めずし」はいかがでしょう。
語源はわかりません。酢を使ったすしで、味は非常にシンプル。白いすしご飯にチリメンジャコが混ぜてあり、タデの粉を振りかけるだけなのです。「さっぱ りして、夏バテによさそうな…」とも考えがちですが、これ、ちゃんと神社のお祓いを受けたもの。れっきとした「お供物」なのです。正式な神饌として、近ご ろでは「タデずし」の名前で、境内で売っているとか…。これなら、誰にも食べられそうですね。

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