すしの雑学
「すし屋のカウンターにて」編 *その37*
2009.03.24
皆さん、すし屋のエチケットとして「タバコはNG」なのはご存知ですよね。職人さんの顔が紫煙の向こう側にかすんで見える、なんて言語道断。第一、せっ かくおいしくすしを握ってくれてるのに、「ちょっと一服」とばかりタバコをプカプカ、というのも、どうにもいただけません。ですから、「禁煙」をうたって いる店も少なくありません。
それなのに、たいていのすし屋にあるのが「マッチ」。たいていはオリジナルで、自分チのすし屋の名前が大書してあるから宣伝にはなりますが、考えてみれば不思議です。「禁煙」をうたってて、何故マッチ?
居酒屋やスナックなどではわかります。いや、あぁいうところではマッチじゃなくて、使い捨てライターでしょうか。とにかく、店自体が、酒を飲んでタバコを吸うところ、ですからね。
今度、行きつけの店で聞いてみてくださいな。まさかマッチの棒を「つまようじ代わりに使ってる」なんて、言わないですよね?
*その37*
2009.03.24
江戸時代、いちばん偉いのは誰だったでしょう。徳川将軍? いやいや、名目の上では天皇の方が上では…? そんなことは、どっちでもよろしい。おすしの話です。江戸時代、とびきり偉かった将軍や天皇が食べたおすしは、どんな形態だったのでしょう。
徳川ご三家のひとつ、尾張家から将軍家に送られていた献上品、いわゆる贈り物の中に、「アユずし」というものがあります。江戸時代のすしの作り方を記し た記録というのはなかなかないのですが、この「アユずし」はアユの獲り方やすしの作り方、作る場所の決まりなどが書かれています。それによると…。あ、い い機会ですから、江戸時代に作られた「将軍家御用となったすし」、全国で10数件あったのですが、それを作る心構えから述べておきましょう。それはまず、 「大切なものを作っているんだ」という気持ちです。口にはマスクをはめ、手拍子や目くばせなどで合図をとる、など、作業場では口をきかないことから始まり ます。
*島ずし(べっこうずし)*
2009.03.24
東京都の離島、八丈島です。ここで作られる握りずしが「島ずし」。もともとは「島で釣れた魚の握りずし」という意味でした。
ところが島にはもうひとつの握りずしがありました。獲れた魚を切り身にしてしょうゆに漬け込む、いわゆるヅケにして握るのです。こうすると長時間持つ、 ということで、島の宴会、たとえばお花見とか結婚式の披露宴などで重宝されたのです。島の宴は長いですからね。ともあれ、こういうすしを「しょうゆ漬け」 とか「べっこうずし」とか呼びました。が、それがやがて、「島ずし」と混同されるようになります。
さて、ヅケにする魚はマグロ? いえ、それでもいいのですが、マグロの旬は冬場だけ。代わりに出てきたのが年中捕れる白身魚です。メダイ・アオダイ・オ ナガ(ハマダイ)などが使われますが、春のこの時季といえばトビウオ。2月から5月の小型のものがすしダネとして最高です。
新鮮なトビウオですが、ヅケにする時はしょうゆにくぐらせます。時間は10分。それをあらかじめ握ってあるご飯の上に置くのです。もちろん、切り身も大きい。
「なぜですか? サービスですか?」と聞いたら、「ヅケの魚は、すべって握りにくいから。別に、あんたにサービスしているわけじゃないよ」と返ってきました。








