すしの雑学
「すし屋のカウンターにて」編 *その34*
2008.12.02
「オリ」、すなわち「折り箱」の話は前にもしましたね。経木で作った、薄っぺらな板の箱ですが、あの、ふたにほんのりと移り香した酢の香りは、食欲をそそ るものです。お父さんがおみやげにすし折りを持って帰ってくる、あの時の香りと同じなんですよ。そうすると、どんなに遅い時間でも起きてきておすしをつま む…、こんな経験、ありませんか?
ところが最近は、事情が違います。箱が木製ではなくなってる。よく見かけるのは、アルミの容器にプラスチックのフタのやつ。スーパーなどの総菜店で売っ てるのなんか、まずこれです。まぁスーパーならともかく、すし屋として立派な看板かけて商売をしている店でも、これで「お持ち帰り」させるところがありま す。
透明のフタは、一見、便利なようですが、日本人は「中に何が入っているかな」とフタを開ける瞬間が、いちばん楽しいのだそうです。中がはっきりと見えているのは、ちょっと…。
「すし屋のカウンターにて」編 *その33*
2008.12.02
え~、「お手水」の話をします。えぇ、「おちょうず」です。えっ、わからない? じゃぁ、「お手洗い」の話です。いや、手を洗うことじゃなくて…。う~んと、わかんないかなぁ。「厠」です。「便所」です。「トイレット」です。わかりました?
最近のおすし屋さんは…、というより、食べ物屋さんだったらどこでも、トイレには気を使います。とにかく、清潔感が漂ってなくてはいけません。ある種の「爽快感」といった方がよいですかね。水洗トイレは当然ですが、最近は、ずいぶん様変わりしました。
トイレといえば、ひと昔前は(女性用トイレは)便器をまたいで座り込むタイプ。これを「和式」と言うそうですが、今は、腰をかける「洋式タイプ」が増えているとか。
あるすし屋さんでの話。「最近、和式のトイレが使えなくなってる人が多くなってね」とご主人。いえ、外人じゃありません。若い日本のお嬢さんがたの話です。
*その34*
2008.12.02
握りずしが登場した時。ものめずらしいものが大好きな江戸っ子たちの間でも、これは大きな話題を呼びました。なにしろ、それまでは箱ずし、すなわち「箱で 押すすし」だったのが、店先には箱がひとつもないのです。しかも、何やら変わった風体ですしを扱っています。そうなると、これにまつわるたくさんの狂歌や 狂俳が生まれました。
「鯛ひらめ いつも風味は 与兵衛ずし 買い手は店に 待って折り詰め」(1856『武総両岸図抄』)。これは、与兵衛ずしの商法が客を待たせない、新 式の方法であったことを示しています。また、「妖術という身で握る すしの飯」(1829『俳風柳多留』)や「混みあいて 待ちくたびれたる 与兵衛ずし 客ももろとも 手を握りけり」(『武総両岸図抄』)などは、すし飯を握るさまが妖術(忍者がドロンとやるヤツ)に似ていることを呼んだものです。
こうして、江戸の街では新顔の握りずしは、やがて、すしの王道を歩むことになります。








