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日比野日誌

すしの雑学

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常陸屋の小林某。太平洋戦争後の混乱期に、東京の上野に居を構えていた人です。この人は、ほら覚えていますか、かつてこのコーナーで、カウンター席と小上 がり席が一緒になったお店の形式は、戦後の品不足が原因だったという話を書きましたね。あのアイディアを出した人なのです。店も何もかもみんな丸焼けに なってしまった時、このコラボレーションがいちばんお手軽な価格だったのでしょう。こぞって「常陸屋式の店舗」を築いたものでした。
さてこの小林某。店舗は持たず、個別訪問式で販売するという方法をとっていました。また、自分の目にかなった若い調理師がいると、お金を出してお店の設計をし、店を持たせてしまうという人物。もちろん、資金は毎日の売り上げからさっ引いて回収したのですが。
彼のアイディアはそれだけではありませんでした。客の目の前にガラスケースを置き、下に氷を敷いたり…。あ、そうだ。水道の蛇口も彼の発想でした。次回はこの話です。

*その28*

2008.06.23

桜井ずし。雪ずし。兵庫ずし。いったい、どんなおすしだとお思いですか。
じつはこれ、海鰻、つまりハモのすしなのです。寛政7年(1795)年刊の『海鰻百珍』という本に出ています
ハモを3枚におろし、尾の方から薄造りにします。これを「漣(さざなみ)」といいますが、それを酢で締めたものを飯とともに漬け込んだのが、桜井ずしと 呼びます。対して、酢を使わないで、そのまま漬けるのが兵庫ずし。また、同じく酢を使わないで、おろし身をさらに薄く切ってからすしに漬けたもの。これを 雪ずしと呼んでいます。まあ、古い時代のナマナレから酢を使ったハヤズシへの移行期間の、特徴的なすしともいえますね。
それにしてもこの優雅な名前。謎です。兵庫は地名。雪は、あの雪でしょう。桜井って、奈良県にある地名、ですかね。それぞれのすしにつけられた理由もわ かりませんし、だいたい、なぜ兵庫、なぜ桜井、なぜ雪、なんですかね。どなたか、教えてくださいませんか?

*ベラずし*

2008.06.23

28梅雨も明けて、いよいよ夏ですね。夏場が旬の魚といえば、ベラです。磯釣り好きの人であれば、おなじみの魚ですよね。
兵庫県明石市のベラずしは、夏の祭りや来客時にも作られますが、何と言っても7 月終わりの「住吉講」の時には欠かせません。祭りのつきものです。夕方、漁師ばかりが住吉さん(住吉神社)にお参りし、その後、酢タコやアジの刺し身とともに一杯やる…。う~ん、たまりませんねぇ~!
作り方はまず、ベラを焼いて身をほぐし、砂糖と醤油で味をつけ、魚のでんぷを作ります。押しずし用の型にすし飯を詰め、上にベラのでんぷを置き、しばら く押さえておいたあと、ゆっくりと抜き出したらでき上がりです。真ん中に、いりこのだしで甘辛く炊いたキクラゲのせん切りを入れることもあります。
ベラはクセも臭みもないのです。また、ベラが手に入ったら、ウロコをとることなく、腹も出さないで、そのまま焼いてしまいましょう。ウロコをとってしまうと、金網に身がくっついてしまうかららしいのです。それくらい身がやわらかな魚なのです。

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