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日比野日誌

すしの雑学

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屋号。って、わかります? すし屋の屋号。つまり、お店の名前ですよ。ほら、「松ずし」とか「すし梅」とか、あるでしょう。あれです。
まぁ「店の名前」ですから、経営者の苗字や名前からつけることが多いですね。笹木さんがやってる「笹ずし」とか、太郎さんがやってる「すし太郎」とか。あと、地名をとって名づけるのも多くて、駿河の国の清水にあるから「駿河ずし」とか「清水ずし」とか。
親方の名前や自分が修業した店から一文字をもらって、新しい店の屋号にする場合もあります。「すし鉄」で修業したんだから、オレの店の名は「すし小鉄」 だ、なんてね。こういう店は、名前を見れば「あの店にいた若い衆が新しく店を出したんだな」ってわかってもらえることもあります。「金」「銀」「鯛」 「扇」なんて、縁起の良いものから名前をつけることもありますね。
そんな中、ちょっと変わった名前も見ることがあります。たとえば「ミサゴずし」。たとえば「弥助ずし」。これらは、ちょっとしたエピソードを知らなければなりません。そのエピソードとは…。また、来月に。

*その23*

2008.01.29

ちょっと変わった巻きずしとして、漬け物や湯葉で巻いたものも生まれました。高菜漬けで巻いたすしは大分県の、また湯葉で巻くすしは和歌山県・奈良県の郷土料理になっています。
油揚げで巻くすしは…。広島県や愛媛県の郷土料理がありますよ。「えっ、どこに売ってるの? お店の名前は?」なんて聞かないでくださいね。ごく普通のスーパーとか駄菓子屋さんでも売っているものなんです。その名も「あげ巻きずし」。あまり全国的 ではないことに、案外、気づかれていないんですね。
もうひとつ、熊本県の南関町にある「南関揚げの巻きずし」も、油揚げで巻く巻きずしですね。ただ、この南関揚げ。厚さを半分にしてあるために、非常に腐 りにくい。味は、そうですね。稲荷ずしに具が入ってるやつみたいです。日持ちするかと思ったら、スーパーではアッという間に売れてしまうのだそう。それだ け人気者なんです。

23「R」のつかない月は牡蠣(カキ)を食べるな、と西洋のことわざで言われているように、カキは「R」のつく月、つまりSEPTEMBERからAPRILまでの冬の期間の名物です。最近、カキはすしダネにもなるようで、軍艦巻きなどに使われています。
では、郷土ずしの世界でカキのすしは?というと、これが、実にめずらしい。でも探したら、ありました。「カキ」と言えば「広島県」。瀬戸内の倉橋島という島の「磯ガキずし」というもので、1月から4月のはじめくらいまで食べられました。
さて、磯ガキというのは、「天然ガキ」のこと。中でもこのマガキは、粒は小さいけれども味は濃い、非常に優れたものでした。ところが、海でカキの養殖が 始まると、粒の大きい「水ガキ」ばかりがもてはやされました。あの有名な広島の養殖ガキは、水ガキだったのです。ところがこれは、味が薄い。その上、簡単 に手に入れることができる。次第に、マガキをはじめとする磯ガキを取ろうとすることなど、昔話となってしまいました。結果、現在このすしを作っている人 は、ごく少ないとのことです。
カキは醤油で煮つけてありますが、ご飯の中に埋めます。そして一番表に出るところは、卵焼きやコハダなどを飾ります。もうひとつ、昔は「シュータブ ター」という貝の煮物も乗せました(写真下・左下の赤茶色のもの)。意味はわかりませんが、ナミマガシワという名前だそうです。今の人は…、知らないで しょうねぇ…。

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