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日比野日誌

すしの雑学

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え~、「時価」の話です。しち面倒くさい「時価」などなくしてしまえ!という声に、「ちょっと待った」との反論」。「困るんだよ、ネタがいくらかわかっちゃうとさぁ」
「仕事で世話になった人なんかを、食事に誘うだろ。すし屋にも行くわけさぁ。『今日のお勘定は私が持ちますから、存分に召し上がってください。ササ、どうぞお好みのものを』って進めるわけ」
そういうの、知ってます。会社がやると「接待」って言うんでしょ? まぁ、大人の世界では、ままあることです。
「そんな時、ネタの『値札』がかかってると、先方は、結構、気にするんだよ。『今、いくらになってて、これを頼むといくら増えて』とかね。相手に変な気を使わせちゃうんだ。だから、『時価』ばかりの店がありがたい」
確かにそうかもしれませんが、それってまた別の問題じゃありません? 少なくとも、すし屋の責任ではないような気がするのですが…。

*その20*

2007.10.23

1750年頃から始まった出版ブーム。享和2年(1802)の『名飯部類』には、おもしろいおすしがたくさん載っています。
まず、箱ずしを作ります。従来の箱ずしは十分重石で締めておき、しばらくしたら、箱から抜いて、切るものです。ですが、その行為を「面倒くさい」と思っ たのでしょうか、箱から抜き出さずに、中身をスプーンなどでほじくり返して、皿に盛る者が出てきました。当然、皿の上では、ご飯も具もバラバラになってし まいます。しっかりかけた「押し」などどうでもよくなり、ついには、最初から「押し」なんかいらない、とする考えが出てきました。
これを「起こしずし」とか「すくいずし」とか言いましたが、これぞ「ちらしずし」の始まりなんです。大阪の堂島では「商品化されていた」とも書いてあり ますよ。こんなに「手を抜いた箱ずし」が、また別のかたちのすしを生み出したのです。そして、そのちらしずしは、今、全国の家庭に普及するほど、一般的な すしです。
すしの世界では、「手抜き」も変革のひとつでした。

*いもずし*

2007.10.23

20秋はおいしいものがいっぱい。中でも、11月といえば「自然薯」でしょう。山の中に自生しており、とろろ汁にすると独特の粘りがある、あの芋です。
イセイモはその栽培種「ツクネイモ」の一種で、その名が示す通り伊勢特産。栄養価の高い芋で,独特の風味で各種料理用に珍重されていますが、栽培が難しいことから、三重県内においてもあまり普及していないのが実状です。
さて、そのイセイモを使ったおすしが、生まれ故郷の三重県多気町にあります。その名も「いもずし」。イセイモをゆでて、つぶして…、ちょうど「マッシュポテト」状にして、ご飯代わりに用いるのです。魚はサバ。
すしの形は棒ずしのようなものを想像していたのですが、取材先で出てきたのは、なんと、握りずし(写真小)。「昔からこんなおすしを作っていたんです か?」と聞くと、昔からあったのは巻きずしだったとのこと。無理を言って作ってもらったのが、大きい写真のすしです。味は、さすがに郷土が誇るイセイモ。 酢がしっかり効いています。が、サバは?
芯に、ニンジンとホウレンソウと並んで、サバが入ってるんですけど…。

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