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日比野日誌

すしの雑学

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おすし屋さんへ外国の人を連れて行って、「ワカラナイ」と言われるものに「時価」というヤツがあります。すし屋の壁に、「本マグロ 時価」なんて書いてあります。
「時価」。これは「時に応じて、値段が変わる」ことを言いまして、その時の価格を意味します。すしの命は魚ですから、旬というものもありますし、漁の出来不出来で魚の入荷状況も違いますから、まぁ、日によって魚の値段が一定しないのも当然です。
でもこれ、「時価」になる魚って、たいてい、高い魚ばかりなんです。大トロとか活きエビとかウニとか、ちょっと普通の財布状況だったら頼むのに躊躇して しまうようなものに、「時価」とついているのです。逆に、アジやゲソなどはあまり「時価」なんて出ていません。
「あったりめぇじゃねぇか。養殖モノはそこそこ値段が一定しているが、天然モノは獲れ具合によって値段も違うんだ。「時価」が当然だよっ」
はいはい。そうですよね。確かに値段がハッキリしているものは、養殖モノが多いです。でも…、あ、紙幅がない。以下は次号です。

*その18*

2007.08.28

すしに酢が使われるようになってのことです。今から思えば、信じられない使いかたをしていました。
まず、酢は「早く酸っぱくするため」に用いられたもので、そのための補助剤。酸っぱさの主役は、もちろん「発酵」によるものでした。ですから、酢を使っ ても、いえ、始めから酸っぱい酢を活用しても、酸っぱくなるまで待たなければなりません。酸っぱいといっても、酸っぱさの質は別だったのです。
まだ合わせ酢なんてものはありません。生酢だけ。これを、ご飯のみに当てるのです。しかも、木の葉などを使って振りかけるもので、ご飯に混ぜ合わせるこ とはしないものだと書いてあります(享和2年(1982)『名飯部類』より)。そのうちに、塩はご飯に混ぜるようになり、やがて酢も混ぜるようになります が、この酢は酒や醤油を混ぜたもの。生魚を絞めたものの残りを使っていたんです。
砂糖は? 使うのは、明治末から、新しいところでは昭和の戦後にかけて、ですねぇ。

18アケビって知っていますか。ほら、秋になるとできる…。え? どこの畑で作っているのかって? 違いますよ、野山に生えている、あのアケビです。
この実をすしに漬けたのがアケビの「ずし」です。場所は秋田県北部。鹿角市では商品化されていると聞きましたが、今は、すっかりめずらしくなってしまいました。これは、2点とも八郎潟町で撮影したものです。
「『ずし』ってのは『すし』のことですね」って聞いたら、お叱りを受けました。「『ずし』は『ずし』です。アケビのすしが『ずし』なんです」。う~~ん、よくわかりませんなぁ。
漬けてからだいたい2~3日で食べられますが、1週間頃が食べ頃だそうです。今お願いすると、アケビの皮(このすしは、実の中身は使いません)でご飯を 包んだのが出てきますが、実はこれは新作とのこと。昔ながらのものは、下の小さい写真のように、アケビの皮の薄切りをはじめキクの花など、みんな一緒に漬 けてあるのです。黒い豆みたいなのも見えますか。これはコハゼの実なんですねぇ。
機会があったら、皆さんも是非ためしてくださいね。すしといっても魚気のないもので、苦くもない、それどころか甘い香りのする、ちょっとほかにはない味ですよ。

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