すしの雑学
「すし屋のカウンターにて」編 *その8*
2006.10.19
すし屋のカウンターで最初に注文するモノ
むかしは「ギョク」から、すなわち玉子焼きからスタートするべし、ってのがルールでした。これは、ザーッと魚が並ぶすし屋のカウンターで、ギョクだけが 手作り。職人の「腕」が見せられるところでした。ですから、まず玉子を食べてみて、「よし。このタマゴを作れる職人だったら大丈夫」と思えば、それからは 本当の意味ですしを楽しむことにすればよし。あまり気に入らなければ「お勘定」と言って、出てしまえばよいということなのです。
しかし最近では、これもうまくいきません。「カシタマ」といって河岸から買ってくる玉子焼きを使用する店が多くなり、玉子の味を見たって職人の「腕」などわからなくなったからです。
今では、酢絞め・塩絞めの仕方やニツメの作り方などで職人の「腕」がわかるといって、コハダやサバ、アナゴなどを最初に注文する人も多いとか。ただしこ れも、単なるポーズだけで終わっていては、何もしない方がよろしい。おとなしく、好きなものからいただきましょう。
*その8*
2006.10.19
世は平安から鎌倉時代へと移ります。ただし、おすしの発達史の中では、ことさら目新しいことはありませんでした。「武をもって世を正す」と勇ましかった武 士軍団も、文化という点では貴族に一目置いていたのでしょう。この時代もまだ、酢を使わずに発酵で酸味を得、しかも、ご飯を捨ててしまうものでした。
興味深いエピソードをひとつ。弘安6年(1283)に完成した『沙石集』の中の話。ある男がアユをたくさん釣ってきました。さんざん食べ、残りをすしに 漬けておきましたが、すしができあがると一人でムシャムシャ。妻はもちろん、子どもにも食べさせません。「私はまだいいが、年端もゆかない自分の子どもに さえアユずしを食べさせないのか」と、男は妻から、離縁を言い渡されてしまいました。
嘘か本当かはわかりませんが、このお話の舞台は東北地方になっています。また、食べ残った分をすしにするというのは、これまでの資料には書かれたことのないことでした。
*シシャモの握りずし*
2006.10.19
「シシャモってのは、飲み屋でよく出てくるやつだろ?」なんていう人、いませんか。実はあれはニセモノ。ホンモノのシシャモと同じキュウリウオ科の魚で すが、キャペリンという全然違う種類です。だけど多くの人が、ホンモノのシシャモでなくニセモノのキャペリンの方がホンモノだと思っている(あ~、ややこ しい!)のです。それだけ漁獲量が多かったのでしょう。
さて、ホンモノのシシャモはどこで手に入るのでしょうか。北海道の、数本の川だけに遡上します。時期は秋。10月上旬から11月いっぱいが漁期で、それ以外は禁漁です。それでも生息数は減少し、1991年から4年間は自主的に年間禁漁していたといいます。
そのシシャモの握りずし。もちろん季節限定で、10月中旬から11月の中旬が本当の旬。北海道鵡川町で食べさせてくれる店があります。シシャモは身が薄く、すぐに乾いてしまうため、持ち帰りはやらないとのこと。写真手前は、シシャモの卵。








