すしの雑学
「すし屋のカウンターにて」編 *その5*
2006.08.01
握りずしは素手でつまむか、箸でいただくか。
今度は「箸」派の方のご意見です。江戸時代後期、めずらしくも握りすしを描いた歌川国芳の浮世絵には、なんと 箸が出ています。「食い物だもの、売る方は『ちゃんと箸を使ってほしい』ってぇのが本音よ」なんて声も出てきそうですね。実際、持ち帰りのすし屋さんに は、箸が置いてあったそうです。
では答えを言いましょう。どちらも正解なんです。というのも、すし屋には2つの系統がありまして、ひとつは屋台。価格が安い方のすしです。もうひとつの すしは、料理屋が出すすし。後に超高級品と言われたものです。屋台では箸は置きませんでしたが、料理屋では置きました。
今、自分が食べているのは、屋台のすし屋か料理屋のものか。ちゃんとわかっていれば、箸を使うか否かもわかるのですが。その方法?お教えしたいのですが、紙幅の関係で、これも次回まわし!
*その5*
2006.08.01
日本に入ってきた頃、「鮨」も「鮓」も同じ食べ物でした(と私は思っています)。最も古い文献では、正倉院文書や平城宮出土木簡などがあり(ともに8世紀中頃)、その中にもこれらが出ていますよ。
さて、この漢字の読み方ですが、わからない。なにしろ「鮨」にも「鮓」にもルビが振ってないのですから(笑)。ようやく900年頃になって、『新撰字 鏡』という和漢辞書の中で、「鮓」を「酒志」と呼んでいます。これで「スシ」と読んだことがわかりますで。「鮨」にいたっては、正倉院文書から200年近 くも経った930年、『倭名類聚抄』が「須之」、すなわち「スシ」と読みを与えています(昔は、漢字には意味がありませんでした。というより、意味は持た せずに音を表す記号のようなものでした。「酒」も「須」も「ス」という音を示す記号だったのです)。
こうして日本料理の中に「スシ」が定着することになりますが、当時のすしがどんなものであったのか。これについては、次回にまわしましょう。
*海ぶどうのすし*
2006.08.01
沖縄県は、伝統的なすしの文化がないところ。だから、沖縄の郷土料理の本をごらんなさい。すしといえば、お店で食べる握りずしか、家庭の巻きずしやいな りずしくらいなものでしょう。ただ、握りずしのタネはずいぶん内地と違っており、ミーバイ(ハタ)やイラブチャー(ブダイ)など、本土のすし屋では絶対見 つからないものが、普通に見られます。
この軍艦巻きもそうです。ウニやイクラ、トロロに隠れてますが、注目すべきはその下、海ぶどうです。海ぶどうは沖縄の海に生息する、和名をクビレヅタと いう海藻で、別名グリーンキャビアとも呼ばれます。緑の粒々が葉の両側についていて、口の中でプチプチとはじける食感は、一度食べたら忘れられないものに なるでしょう。養殖しにくく、天然物が最もよく採れるのは、1年のうちでも6~8月だといいます。
最近では、すしのタネに用いられることもあるのです。








