日比野日誌
全国の郷土ずし紹介
節分の季節が近づくと、関西では
「巻きずし 予約受け付け中」の広告が出ます。
節分の夜に、恵方を向いて黙って立ち、
笑い顔で巻きずしを1本ぐるみ、丸かぶりをすると、
その年は健康でいられる、という伝説ですね。
今では、海苔屋か卵焼き屋か、はたまたコンビニの計略か、
この伝説は全国に広がりました。
大きさも、太巻きから細巻きまでありますし、
長いままのもあれば半分に切った「ハーフ巻き」というのもあります。
商売っ気は盛んです。
さて、巻きずしといっても、海苔巻きばかりじゃありません。
卵焼きでも巻きますし、コンブやワカメでも、
それこそその土地土地にあるもので巻くのです。
九州では、高菜巻きというのがよく見られます。
特に阿蘇地方では古くから「阿蘇高菜」という種類が盛んに栽培されてきました。
高冷な土地でないとやわらかで風味豊かな高菜は育たないのだそうで。
これの漬け物で巻きずしを作るのです。
緑鮮やかな浅漬けでも結構。茶色くなった古漬けでも結構。
それぞれの人はそれぞれの好みの味を持っていますが、
どれも、海苔巻きとは全然違う歯触りと。ピリッとした辛さは独特です。
写真は、大分県日田市のもの。なぜだか納豆を巻くのがこの土地のやり方だとか。
ただ、これで「節分の巻きずし」をやったら、服がベトベトになっちゃうかも…。