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日比野日誌

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*イナずし*

2009.11.26

45宮座とは神社に奉仕する氏子の集団です。祭りの世話、お供えやお斎(食事)の準備などを当番制でまわし、特に西日本に多く見られるものでした。
わが国有数の都市・大阪市には、かつて多くの「宮座」がありましたが、今はほとんど壊滅状態です。そんな中、福島区海老江の八坂神社には、宮座が残って います。祭りも、小正月のキョウ、秋のキョウ、御火炊きのキョウの3つが伝わっています。今回ご紹介するのは12月15日の御火炊きのキョウ、別名、霜月 の宮座に登場するお供えです。
宮座が行うお供え作りは厳重です。使う道具は、前年に務めた当番の人から受け継ぎ、買い物はすべて男性が行います。ご飯は、かつては淀川の水で洗って炊いていましたが、さすがにこれは中止となりました。
白蒸し、菊花(豆腐とダイコン、サトイモで作るお供え)、こま犬さん(蒸しご飯を盛ったお供え)などユニークな神饌が並びますが、最も変わっているのがイナずしでしょう。イナとはボラの幼魚で、その腹の中に蒸したご飯を握って詰め込みます。
イナはナマ魚。内臓もここで取る、つまり「活きがいい」もの。その腹にご飯だけ。塩味もつけず…。すなわちこのすし、酸っぱくなる要員は持っていないのです。
酸っぱくないのにすし…。理由はわかっていませんが、日本でも数少ない例でしょう。

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