日比野日誌
全国の郷土ずし紹介
何のすしだと思いますか。ヒントは「細長い魚」。夏の魚というイメージがあります。
答えはハモ。ハモというと、身は白いけれども、歯が鋭くて、どう猛で。それから、小骨が多いため、職人技の「骨切り」が必要な魚。でも、夏場の暑い時、 キーンと冷やした白身の上から、甘酸っぱい梅肉をかけて…。ですが、これはちょっと違っていますよね。白い身はどこへ行っちゃった?
実はこのハモ、煮てあるのです。和歌山に近い大阪府の最南端・岬町の一般家庭で作られ、中でも深日(ふけ)で10月の祭りに食べられるハモのすしは絶品です。夏場よりこの季節の方が脂が抜けてきて、美味なんですって。
素人の作業ですから、プロのような「骨切り」はできません。ゴム手袋で表皮をエイッと剥き、背びれや尾ひれをはさみで切り、中骨を取ります。この時、小 骨がたくさん残りますから「骨切り」が必要なのですが、素人は気にしません。一度、つけ焼きにして、あとは、フードプロセッサーでブーン! ハンバーグの ミンチよろしく、べとべとになるまでくずして、さらにまな板の上でトントントン。2時間も叩いたら、今度は仕上げに炒りつけてやります。
これを、シイタケや卵焼きと一緒に押しずしにしたものがハモずし。でも、すしの上に乗ってるのがハモだとは、説明されてもわかりません。食べてみると…。やっぱりわからん! あんまり煮たハモなんて、食べたことないからなぁ。