日比野日誌
全国の郷土ずし紹介
1月 和歌山県新宮市の「30年もののなれずし」
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和歌山県新宮市のあるおすし屋さんで「30年もののなれずし」っていうのを売ってます。
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たぶん、今でもやってると思いますよ。
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注文すると、小さい小鉢に盛られて出てきます。
中身は、薄いポタージュスープみたいなものですが、味は、ヨーグルトですね。
30年も経つと、ご飯が発酵しきっちゃって、こんなになっちゃうんですね。
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私が行った時は、店のご主人が小鉢に箸をつけて、サービスに焼酎のミルク割りを出してくれました。
そう。これ、ご飯のおかずというよりは、酒の肴なんですね。
で、ご主人のいうことにゃ、正統な食べ方がある、と。
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曰く。まず割り箸を割って一本を取り、それで小鉢の中身をつつく、と。
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やってみますが、中はポタージュしか…、あれ、何か箸の先に当たるなぁ。
取り出してみると、ヒレだ、こっちは目玉だ。
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そうか、30年も絶つと、魚の身は溶けてしまうんだな、と納得。
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魚は、アユかなぁ、サンマかなぁ。わかりません。
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箸を抜き出すと、箸の先っぽにポタージュがつきますね。
それを舐めてから焼酎をグビリ。
う〜ん、珍味だけれど、おいしい。
う〜ん、また箸が小鉢に伸びる…。
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平成も30年を迎えました。
30年つながりで、このおすしを出しました。
ちなみに私が取材に行ったのは35年以上も前の冬でした。
その当時のものが残ってりゃ「65年もの」なんですが、今でもあるんでしょうかねぇ。
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