日比野日誌
全国の郷土ずし紹介
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タイの旬って知ってますか?
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マダイは5月に出産期を迎えるので、その直前が、最も脂が乗ってて美味。
しかも、この時期、マダイはたくさん獲れるのです。
色はほんのり赤みが強くなり、「サクラダイ」と呼ばれます。
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熊本県天草地方はマダイの名産地として有名です。
大きな干満差と激しい潮の流れが、マダイの身を美味しく育ててきたといわれます。
サクラダイもそう。
この時期はとくに、全国から腕に自信のある「太公望」たちが集まってきまして、いつもよりもあざやかな鯛を釣り上げています。
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今では、天草市の開発でいい育成装置もできまして、養殖もおこなっています。
そして、なんと1年中、赤いタイが生産されるようになり、「天草サクラ鯛」や「天草みやび鯛」などとして全国に売り出されています。
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けれども、タイの姿ぐるみをすしにした郷土ずしは、私は知りません。
いや、正確にいうと、過去に一件だけありました。
それが、写真にも示した「鯛の姿すし」。天草への玄関口で近代港の草分けでもある、三角駅の駅弁でした。
天草灘で一本釣りをした天然モノを使い、米も肥後米だということでした。
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天草五橋の完成で、三角港は見過ごされるように。
そして2003年、駅弁業者が撤退。2005年には、三角町が宇城市に併合。
残念なことですね。
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